今回は興味深い異色の経歴をもつシェフの独創的なフレンチを食べに【Takumi】に行ってきました!
店内はシンプルで落ち着いた雰囲気。料理はそれに反して独創的な食材の組み合わせでありながら、まとまりのある品々でした。オープン当初の『2年以内にミシュラン1つ星』という目標を叶え、現在に至るまで3年連続でミシュランを獲得している名店です。
Takumiのおすすめポイント
まずは、わたしが伺う前にシェフのインタビュー記事などから知って驚いた、異色の経歴からお伝えしていきたいと思います。
料理人は高校卒業してから料理の専門学校に通い、紹介やツテを使いつつ日本の有名レストランや本場のフランスで修行をしていくのが一般的なスキルアップのルートです。
しかしTakumiの大槻シェフの実家には、必ず良い大学にいくという鉄の掟が。物心ついたころから料理人になりたいと思っていたそうですが大学は行かなければならないため、将来オーナーシェフになることを見据えて経営学を学ぶために神戸大学に入学したそうです。
そこで経済学を学びながら語学の授業ではフランス語を勉強し、大阪の老舗フレンチでバイトをしながら、家庭教師もして750万円貯金。
大学卒業後そのお金を握りしめてフランスに渡り、各地の星付きレストランを10軒予約し美味しいと思ったレストランにその場で直談判して修行したとのことです。貯金額や直談判と、驚くことが多くてついていけません。
フランスで3年ちょっと修行し帰国後に27歳という若さでTakumiを開業。
現在Takumi開業後5年が経ち32歳ですが、それでも星付きレストランのシェフの中では異例の若さではないでしょうか。
お料理のコンセプトは「組み合わせの妙を正確に理解し、楽しめるレストラン」
長らくお待たせいたしました、それでは本題のお料理のご紹介をしていきたいと思います▽
今回のお料理
コースは1種類で、¥6,500円です(消費税・サービス料別)
外観も店内もとてもシンプルで落ち着いています。
まずお店に入って目についたのがサービスマン2人共がソムリエバッチを付けている‥。累計合格者数をみると日本では5000人に1人はソムリエ資格を持っている計算になるので珍しい資格ではないですが、これまで行ったフレンチではサービスマン全員がソムリエバッチをつけていたお店はなかったと思うので、すごいなと思いました。(大体2人体制だとソムリエ&若めの見習いサービスマンかアルバイトスタッフのイメージだったので‥) 1人は女性スタッフだったのですが、女性のソムリエ自体も珍しい印象です。
お料理が運ばれる少し前にテーブルに並べられるのは、細かく一皿の説明が書かれたカード。料理の一品一品に用意されるこのカードが新鮮でワクワクしました。こだわりの素材は調理前の形で小瓶に入って目の前に並びます。
カードをじっくり読み、小瓶のなかの香りを楽しみつつ、つぎにくる料理を想像しながら待ちます。
・ハマグリのエキスで火を入れた煮アナゴ フキノトウのジェノベーゼと新玉ねぎのスープ
1皿目から食べ応えのあるお料理。煮アナゴはふわっととろけて口の中で一瞬でなくなります。フキノトウとの組み合わせは驚きですが、繊細なアナゴと新玉ねぎの中に苦みと香りの要素が入っていて、ただただ淡いだけでない春を感じさせてくれます。
・エゾ鹿に雲丹と卵黄のソース 牛蒡を合わせて
2皿目に鹿はかなり強気です。メインの食材が最高で、鹿の断面の赤身の綺麗さをみるだけでおいしいやつだと思いました。鹿と雲丹という 山×海の組み合わせはフレンチでは珍しいですが、和食ではよく使われる組み合わせだそう。たしかにお肉に雲丹を合わせる和食や焼肉店も多いですね。
ウニの味が濃厚で、絡めて食べると絶品でした。
・ホタテのポワレとパルメザンチーズのフレンチトースト
これまた異色な組み合わせです。パルメザンチーズで仕上がった甘くないフレンチトーストにはベーコンの香ばしさとセージというハーブが。セージはローズマリーのような風味でしたがパリパリに焼かれていたので、少しずつ崩して食べやすかったです。
ホタテ自身にはあまり塩気がなかったですが、周りのホタテのエキスのソースがしっかりとした味付けになっており、絡めながらいただきます。
・平スズキのポワレ キノコと黄ワインのソース
このスズキが、脂がのっていてプリッと弾力があって驚きました。スズキのポワレというと少しパサパサとしていてソースと合わせるとちょうどいい食感になるイメージがありましたが、ソースをつける前からぱさつきは全くなくしっとり。香りからして美味しい、キノコと黄ワインのソースといただきます。
・乳飲み仔牛のカツレツに季節の山菜とフォアグラのソース
乳飲み仔牛とは生まれてから乳だけで育った、牧草を食べる前の仔牛のことで、臭みの全くないミルキーな味が特徴です。牧草を食べて育った牛か乳飲み仔牛か、食べて感じるくらいミルキーなんです。カツレツ仕立てはお肉そのものを揚げるのではなくクルトンやチーズをのせて焼いているため軽やかで、メインディッシュとしても食べやすかったです。苦みのある山菜も、濃いフォアグラのソースと合わせるとちょうど良いアクセントになっていました。
・バラのブランマンジェ
お口直しの一皿です。シェフが花の都パリにいる際に思いついたという思い出の一皿。一口食べるとバラの香りがすごくて、無着色無香料というのが驚きです。
・ムラングシャンティ
フランスの伝統菓子であるムラング(メレンゲ)シャンティ(生クリーム)をイメージしたデザート。フランス料理らしい王道なデザートで〆です。シンプルなお菓子でありながら、今回はあまおうをふんだんに使用し華やかに仕上がっています。メレンゲやクリームも甘めですが、それに負けないあまおうの甘さに、やはりあまおうはすごいなと再認識。味を変えられるように添えてあるのはアーモンドクッキーとピスタチオのペースト。ピスタチオ好きとしてはもっちりとした濃厚のピスタチオをクリームと絡めて食べると至福でした。
・お茶菓子
小さなレモンタルトとドライフルーツのバタークリームサンド
お茶菓子の手の込みように驚き。サーブされた瞬間、可愛いと声が出ました。
今回は友人の誕生日にメッセージプレートをお願いしました。可愛くて手が込んでいる‥。もちろんプラス料金はかかりません。誕生日プレートを無料で用意してくださるところも、フレンチレストランの良いところです!!
まとめ
Takumiのご紹介いかがでしたでしょうか。
お料理も独創的で『組み合わせの妙』を楽しみながら、カードでの料理説明という新しいサービスの形にもワクワクしました。
カードでの料理説明は、料理がサーブされてから長々と料理説明があることが嫌な人もいるだろうという配慮から。
次の料理を待つ時間に説明を読んでおけるのは、自分のペースで食べられて良いスタイルだなと思いました。
他のレストランにはない演出を楽しみたい方や、サービスや料理に新しさのあるスタイルで楽しみたい方にぜひおすすめしたいです。
若めのカップルもいましたが、40-50代の夫婦や30代の女性2人などもいて、世代問わず人気のある印象でした。
若きシェフが手がける【Takumi】シェフの目指す、『1つ星をとってから5年以内に2つ星』の未来も近いのではないでしょうか。予約の取れなくなる前にぜひ行ってみてください!
▽Takumiのご予約はこちらからどうぞ
一休レストラン(Takumi)
会員登録なしでも予約できるので、ぜひ一度お試しください。
店舗情報
店名:Takumi
東京都港区西麻布1-11-10 ビルマーサ 1F
六本木駅より徒歩7分
電話番号 03-6804-6468
一休レストラン(Takumi)
営業時間
昼 11:30 ~ 15:00 (13:30)
夜 18:30 ~ 23:30 (20:30)
定休日 日・月
コメント